中国茶、紅茶、日本茶、お茶のことをあれこれと。
中国茶入門本はこれを!
中国茶を学ぶには、いろんな方法があります。最近茶荘、茶館、あるいはカルチャーセンターなどでいろんな講習会が開催されていますので、まずは入門コースなどに参加してみるという手がありますね。でも、もう少し、自分の知識を豊富にしたい。そう思う人って多いと思います。そんなときに手元に置いておきたいのが、入門用の書籍。独断と偏見でお勧めの入門書を4冊セレクトしてご紹介しましょう♪



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『中国茶入門』

先ず最初にご紹介したいのは、「香り高き中国茶を愉しむ-中国茶入門」。著者は、香港の中華料理を撮らせたら、この人の右に出る人はいないというほどの達人カメラマン菊地和男氏。菊地さんは、「香港飲茶読本」という本でもおなじみですが、長年香港へ取材へ行くうちに、お茶の魅力に嵌ってしまったそうです。この本は、そんな菊地さんの愛情のこもったすばらしい出来映えの中国茶入門本で、中国茶の世界のすばらしさを、美しい写真と分かりやすい文章で解説してくれます。なにはともかく、書店で一度開いてみてください。題字は趣味人で有名な香港楽茶軒の葉さんの作です♪

「香り高き中国茶を愉しむ-中国茶入門」
 著 者:菊池和男
 出版社:講談社
 出版年:1998.7
 価 格:2400円
 ISBN4-06-209232-8


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『香りを楽しむ中国茶の事典』

次にご紹介するのは、「香りを楽しむ中国茶の事典」。「お茶の辞典-日本茶・中国茶の世界」などの「事典シリーズ」を何冊も出している成美堂出版から出されている本で、お茶に関わる様々な人に取材して構成されています。お茶の愉しみ方をいろいろと考えてみたい人には必携の入門本と言えるでしょう。この本の特徴は、さまざまな画像がページのあちこちにちりばめられている点でしょう。どんな茶器をそろえたら良いか、どんな茶葉があるのかなど、菊地さんの画像なども活用され、総合的中国茶入門本に仕上がっています。♪

「香りを楽しむ中国茶の事典」
 著 者:成美堂出版編集部編集
 出版社:成美堂出版
 出版年:2000.6
 価 格:1200円
 ISBN4-415-00985-9


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『中国茶雑学ノート』

次にご紹介するのは、先の2冊とは全然違う、読み物風の入門書です。「中国茶の楽しみ雑学ノート―「清香(チンシャン)」へのいざない」著者は、ビジネス第一線で活躍している方たち。お茶にずっぽり嵌って、いまではすっかり日本の中国茶の世界では有名人になってしまいました。彼らの書いた前作「中国茶雑学ノート」は、どのようにお茶に嵌ってきたかを克明に記録した、入門者による入門書したが、前の雑学ノートから3年、その間彼らが主催した「中国茶サロン」で培ったさまざまな経験から、お茶の魅力を更に掘り下げて書かれています。
特に、その後彼らが出会ってきた深い中国茶の魅力的な世界が紹介されている処がとっても魅力的な本でしょう。全然綺麗な画像はないけれど、逆に文章でお茶の楽しみにいざなってくれる、入門者必読の一冊。特に、お茶と出会って迷うことなどに、明快な回答が与えられる点、読んで損はないでしょう。♪

「中国茶の楽しみ雑学ノート―「清香(チンシャン)」へのいざない」
 著 者:成田重行、工藤佳治、兪向紅
 出版社:ダイヤモンド社
 出版年:1999.9
 価 格:1800円
 ISBN4-478-96076-3 


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『中国茶図鑑』

さて、最後は、今までの入門本とは一線を画す、中国茶の図鑑です。題名は「カラー新書 中国茶図鑑」。「中国茶の楽しみ雑学ノート」の著者陣が、コンパクトに代表的な中国茶の茶葉、産地、そして特徴などをまとめた本です。この本があれば、様々な場面でであったお茶を知る手がかりになります。もちろん、中国茶の数は、非常に多く、ここでは全て紹介しきれていませんが、例えば「太平猴魁」というお茶に出会ったときに、その茶葉の形から、茶のいろ、産地、そしてそのお茶の特徴などがわかってしまうという優れものです。類似書に「中国名茶館」(左能典代:高橋書店)、「中国茶の世界」(周達生:カラーブックス)等もありますが、この本は、茶葉が原寸大だったり、巻末に上海でのお茶の買い方指南などが付録があり、非常に使える図鑑になっています。♪

「カラー新書 中国茶図鑑」文春新書
 著 者:工藤佳治、兪向紅、丸山洋平
 出版社:文藝春秋
 出版年:2000.10
 価 格:880円
 ISBN4-06-257298-2




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茶壷に恋する
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中国茶を入れる基本的な器である「茶壷(チャフー)」。日本の急須とは違い、把手は後ろ側についているか、上についているものが多く、しかも、日本の急須より焼き締めの固い磁器と陶器の中間である[火石]器(せっき)と呼ばれるものなのです。

■茶壷とは?

茶壷の代表的な産地は、中国江蘇省宜興(ぎこう:yixing)です。ここで作られる茶壷は、その土の素材から「紫砂壺(しさこ)」とよばれ、昔から珍重されてきました。この宜興の紫砂壷は、遠く明代にその発祥を遡ることが出来ます。そもそもは明代に科挙制度からスピンアウトされた文人たちが、茶を飲むために使っていた水注が原型であるといわれていますが、この時代、固形茶から散茶にお茶の形態が変化して行ったのにあわせて出現した茶器であるともいわれています。

しかも、官製の陶磁器とは異なり、宜興では多くの作家が作品を生み出したのも特徴といえるでしょう。明代には時大林(じだいひん)、恵孟臣(けいもうしん)といった巨匠が出現し、紫砂壷の基礎を固め、清代には、陳鳴遠(ちんおうえん)、恵逸公(けいいつこう)、陳曼生(ちんまんせい)などが更にデザインや装飾、そして紫砂壷そのものの完成度を高めて行きました。その後も王寅春(こうこしゅん)、范大生(はんだいせい)といった巨匠を生み、現代でも顧景舟(こけいしゅう:故人)、蒋蓉(しょうよう)、李昌鴻(りしょうこう)といった作家が活躍しています。

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紫砂壷の魅力は、その形やデザインだけではなく、お茶を淹れた際にその渋みやあくなどの成分を除去し、また熱湯を注ぐときに注ぎやすい作りになっているなど、実用においても非常に優れていることにあります。

そのため、多くの中国茶器は、この宜興の紫砂壷を最高峰とし、台湾などでもこれらの作品をお手本に、茶壷が作られているのです。

■茶壷の種類

茶壷には、様々な色や形のものがあり、棚に飾っておくだけで非常に楽しいのですが、そのスタイルから「筋紋型」、「自然型」、「幾何型」に3分類されています。「筋紋型」は茶壷に線の入ったもの、「自然型」は梅の木、竹や蛙、兎などを模したもの、そして「幾何型」はオーソドックスな形の茶壷です。また、幾何型の茶壷は、外形から「円珠壺」、「直筒壺」、「倣古壺」など数多くの種類に区分されています。


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筋紋型
(菊心壷:菊の花のような縦線がきれいに入っているものです。)

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自然型
(梅段壷:梅の切り株と花などに模した茶壷です。)

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幾何型
(倣古壷:一番オーソドックスな形で、やや扁平なものです。)


■良い茶壷とは?

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このように沢山ある茶壷、ではどうやって見分ければ良いのでしょう?見分け方のポイントをいくつか掲げてみましょう。

〇 見た目に上品であること
見た目に優雅な茶壷であること長く使っていて、飽きの来ない茶壷を選ぶこつになります。いくら感覚的に良いと思っても、その茶壷に品が無いと台無しですね。

〇 作りがきちんとしていること
ひび割れや傷がなく、本体と蓋に隙間が無くしっかりと噛合っているものが良いものです。蓋にある取手(紐:チュウ)に開けられた穴(孔:コウ)を塞いだときに湯が口から漏れないものがよいものです。

〇 固く焼き締められているもの
きちんと焼き締められているものが上等なものとされますが、茶壷の薄いものと厚いものでは、若干性格が異なります。薄めで固いものは性格上磁器に近くなり、香りがたちますが、一方で、しっかりと厚みのあるものは、保温の効果が良く、まろやかな落ち着いた感じになります。

〇 形のバランスの良いもの
デザイン的にバランスがとれていることも重要な要素です。形そのものも重要ですが、各パーツどうしが形良く作られているかを良く観察してみましょう。左右や上下のバランスがとれていて、安定感のあるものが良い壺です。

〇 地肌の色艶の良いもの
余りてテカテカしているものは蝋やワックスが塗られているものです。自然と品があって艶の良いものが良質なものです。土の素材にもこだわって、普段から良いものを見て目を養いましょう。

〇 機能的なもの
茶壷は、芸術品として集めるので無ければ、所詮は茶を入れる道具。ですから、きちんと茶が淹れられるかが最大のポイントであるのです。水の出は良いか、注ぎやすいか、持ちやすいか、茶葉がいれやすいかなどをチェックしてください。

■茶壷の育て方

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このようにして選んだ茶壷。大切に大切に育ててください。茶をじっくりと茶壷で飲むことによって、その茶壷が育って行くのです。このように毎日茶壺を手入れすることを「養壺(ヤンフー)」といいます。紫砂壺は磨くほど、非常に良い光沢が出てきて、独特の風合いになります。この養壺が楽しくてお茶を飲む人がいるほどです。
気に入った茶壷を入手したら、先ずは「下ろし」の作業をしてください。

〇茶壷の下ろし方
最初に、歯ブラシにクレンザーをつけて茶壺を丹念に磨き、ワックス、汚れや油などを取り去ります。そのあと、鍋に茶壷が隠れるくらい水をいれ、茶壷と茶葉を入れとろ火で30分ほど煮込みます。必ず水から茶壷を煮てください。冷えたら、茶壷をそのまま乾かし、表面に水気が無くなったら、柔らかい布で磨きます。これでお茶を淹れられる状態になりました。

さて、重要なのは、普段の茶壷の扱い方です。養壷の基本は「茶葉によって使い分けをすること」です。これは高山茶用、これは鉄観音用と、茶壷が増えれば、こんな風に分けて使えると良いでしょう。でも最初は、清香系の台湾茶用といったように、似たような系統のお茶で区別すると良いでしょう。

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〇養壷の仕方
茶壷に湯を注ぎ、中を綺麗にして暖めます。茶葉を入れて、湯を注いで、蓋をしたあと、上から湯をかけます。そして茶を入れるのですが、そのあと茶壺の地肌が熱く、表面が乾かないうちに木目の細かい布で磨きます。地肌が乾いてしまった場合は、養壷筆という刷毛で茶を塗ってからみがいたりもします。このとき気を付けることは、茶船に茶壷を水没させたままにしないこと。ツートンカラーになってしまいます。養壷座や茶盤を使うと良いでしょう。地肌が乾いたら今度はやや木目の粗い布で綺麗に磨きましょう。これで光沢が出てきます。
使い終わった茶壷は、茶殻を採りだし水を流す程度に洗います。そして蓋をとって、乾燥してください。

このようにして育てた茶壷は、きっともう手放せないはず。じっくりと茶壷に嵌って、大事に慈しんであげてください!




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邀月茶館
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最近巷はcafeブームです。cafeブームはいつのまにやら中国茶の茶藝館まで捲き込んでしまい、茶藝館ですらcafeのカテゴリーに入れられてしまっています。cafeの定義が、「のっびりとくつろげる空間と、ドリンクメニューに加え、軽い食事などを出す店」であるならば、なるほど「茶藝館」はcafeそのものなのかもしれません。
 
ところで、そんなcafeの定義にぴったりとマッチする店が、今回紹介する東京渋谷の「邀月茶館(ムーンガーデンティールーム)」。香港からやってきたAndy Lee氏マネージメントの素敵なお店です(2003年7月末にこのお店は閉店し、「春風秋月」と名前をリニューアルして新高輪プリンスホテル内にオープンしました。なお、現在春風秋月は、経営が変わっています。)。
しかし、ここは巷にあふれる流行を追っただけのcafeとは一線も二線も画するお店であることが、一歩店内に足を踏み込むと実感できます。店内のインテリアは全てアンティックの中国家具。茶器も年代物のアンティックを惜しげもなく使い、シノワズリーそのものの風格を漂わせています。これらのインテリアは店主の李志楊さん(アンディ・リーさん/香港店のオーナーの息子)が、全て香港の親類が営んでいるアンティーク家具店から持ちこんだもの。テーブル席に加えて、小さな寝台を模した座敷席もあり、のんびりと本格的な中国茶を楽しめる空間に仕上がっています。

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店内風景(左)  座敷席(右)

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店内風景(左)  テーブルの上(笑)(右)


肝心の中国茶は、緑茶から黒茶まで40種類ほどもあり、小さな蓋碗で楽しむことが出きます(茶壷で飲みたい!とのリクエストもOK。)。席には煮水器が用意され、いつでも何杯でもお茶が楽しめます。香港の茶荘をベースとしているので、大陸のお茶がメインですが、台湾のお茶もバリエーションとして用意されており、本場の茶藝館の雰囲気を十分に楽しむことが出来ます。
アンディーさん以外の正式スタッフは、みな香港、中国の女性方。たどたどしい日本語で、サーブしてくれるのが、また

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画像提供:chiguhaguさん


異国情緒を盛り上げてくれます。そして、メニューには、甜品(デザート)とお茶のセットと點心とお茶のセットの2種類があります。それぞれ、セットに出来る料理は10種類近くあり、どのお茶と組み合わせることも可能。幾通りもの組み合わせが楽しめます。もちろん、味も香港そのもの。
休日の昼下がり、お気に入りの本などを持ちこんで、のんびりとお茶をするには最適なお店です。


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菊普茶(左)   アンディーさん(右)
アンディーさんの画像提供:chiguhaguさん

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金魚の餃子(左)  坦々麺(右)



■ 邀月茶館
  住所:東京都渋谷区渋谷2-24-1
     東急東横店南館6階
  電話/FAX:03-3477-4811
  営業: 10時~20時 (不定休)


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