中国茶、紅茶、日本茶、お茶のことをあれこれと。
至福の時間、上等な気分への誘い 癒しの一杯
さあ、癒しの場所へ

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日々ストレスに晒された生活を強いられる現代人。なかなかフーッと肩から力を抜いて、リラックスできる場所がないのも事実です。そんな時は、まず、積極的にお茶の時間を持ってみませんか。
たとえばふらりと入った茶藝館。いつもの席に座ると、顔見知りの小姐が「今日はなににしますか?」とちょっと小首をかしげて微笑んでくれる。そんな場所に身を置くだけで、息抜ができてしまうのです。


癒しの空間

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茶藝館に入ったら、まずはその空間にどっぷりと自分を沈めてみましょう。窓の外に踊る芽吹いたばかりの樹々の葉を通して差し込んでくる淡い光、その光が照明を落とされた店内に、さまざまな影を作っていることを発見し、使い古された宮廷家具、本棚に並ぶお茶の本、板張りの床下、そして自分が抱えてきた本たちにも、淡い影を落としているのを見つけたり・・・。淡い光と影のコントラストと優しい色達が、このところピリピリしていた気持ちをほぐしてくれる。そんな安らぎを感じられる空間自体を楽しんでしまえれば、徐々にリラックスできるはずなのです。

癒しの時間

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そんな空間に身をおいていると、次第に机の端にしつらえた深い緑色の煮水器がことことと音を立て、時間がゆっくりと流れていくのが感じられてきます。茶藝館の小姐が、「この季節、小さな芽だけを摘んだ高山で取れた新茶が入っています。」と薦めてくれたお茶を待つ間、何をするでもなく、そんな時間に身を任せてみましょう。
小姐が茶器と茶葉、そしてちょっとしたスイーツをもってきてくれました。深みを帯びた、小さな粒たち。暖めた紫砂壺にそっと入れ、ことことと音を立てている煮水器から静かに湯を注いでみましょう。蓋をしたらその上からもさらに湯を注ぎます。湯気が茶壷全体を包み、茶壷についた水滴が次第に蒸発していくのがわかります。茶布で紫砂壺の地肌についた湯優しく拭き、その表面が鈍く光るのを楽しみつつ、たおやかに時間の流れを楽しんでいると、やがてお茶を入れる動作そのものを楽しんでいる自分を発見したりします。


癒しの一杯

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茶壺から茶海に茶を注ぎ、そして薄い作りの茶杯に茶を注ぐ。さあ、お茶が淹りました。
まずは、茶杯を手にとり、そうっと目を閉じて、一杯の茶の香りを大きく吸い込んでみてください。深い森林の中で深呼吸をしたような、すがすがしく、そして甘い香りを感じられるでしょう。その香りだけでも、フッっとため息が漏れてしまいそうなほど、幸せな気分になれませんか?

そして、茶杯を唇に当てて、薄い茶杯の口当たりを楽しんだら、すばやく少しだけ茶を吸い込んでみてください。吸い込んだ茶を静かに舌の上に乗せて転がしたあと、のどの奥へと落としこんであげましょう。爽やかでありながら、甘味を伴ったお茶の味がじんわりとく地の中に広がっていきます。次はもう少し多めに茶を口に含んでみましょう。そして舌、上あごなど、口の中全体でお茶を楽しんでください。少しだけ空気と茶を混ぜるように空気を吸い込んであげると、茶の持つ本来の味を、あなたは感じることが出来るでしょう。そして静かに飲みこんで、大きく息を吸い込んで、細く細く吐き出すと、さらに甘いお茶の香りが戻ってきて、あなた全体を包んでくれるはずです。

その一杯からあなたはなにを感じられるでしょう。きっとこの一杯であなたはお茶に癒されているに違いありません。こころを落ち着かせ、一杯のお茶を楽しむ。こんな「至福の時」の過ごし方と「上等な気持ち」の作り方を、是非、あなたの忙しい日常のどこかに挟み込んであげてください。



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見立ての楽しさ 龍井のカタチ
清明節も終わり、明前茶も一段落のこの頃ですが、皆さん、おいしい龍井もう飲みましたか?
一口に龍井茶といっても杭州の中ではおいくつかの地域に分けて作られていますし、またそのお茶のランクや形の違いなど、さまざまです。今回は、この龍井の形についてとりあげてみました♪

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獅峰龍井の茶畑


龍井茶の様々な形

春の中国緑茶の代表選手といえば、「緑色皇后」と呼ばれる浙江省杭州の銘茶龍井茶。

色、香り、味に優れ、形が美しいことから「四絶」(しぜつ)とたたえられていますが、釜に押し付けるようにして作られる扁平なお茶で、その香ばしいナッティーな香りと深い味わいからファンが非常に多い有名なお茶です。

杭州の有名な湖、西湖周辺で作られるので、西湖龍井(シーフーロンジン)と呼ばれることが多い龍井茶ですが、茶畑は、その杭州のあちこちに点在しています。もっとも有名なのが獅子峰産のもの。山の急な斜面に小さな茶畑でつくられる龍井は明前茶の代名詞とも言われ、「獅峰明前龍井」(しほうみんぜんろんじん)という名前は、中国茶通で知らない人はいないほど有名です。

また、その周辺には梅家[土烏](ばいかう)、五雲山(ごうんさん)、虎包(こほう)などの茶畑が点在してます。

これらの龍井は、気候、環境と加工技術の差により品質が違い、また、摘まれた茶葉の形態などで区分がされています。特に製茶後の茶葉の形を物にたとえて「蓮芯」、「雀舌」、「槍旗」などの呼び名が付けられているのです。

蓮芯(ユエンシン)

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蓮の実の芯

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蓮芯龍井

蓮芯とは、蓮の実の芯のような形をしている龍井茶という意味で、嫩芽(みるめ:若い芽を意味します。)の部分だけを丁寧に摘んだ最高級の龍井茶です。しかも、嫩芽が出始めるのが3月中旬以降のこと。清明節前にこの芽の部分だけを摘んだ獅峰明前龍井は、生産量が非常に少ないので、ほとんど市販されていません。味わいも、茶葉の味が抽出されることがないため、非常に淡く、濃いお茶が好みの方には物足りなく感じるかもしれません。しかし、通好みの茶といわれ、1斤(500g)何十万円も出して買っていく人もいるほどの銘茶です。

蓮芯と似ていますか?

旗槍(チーチアン)

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旗槍龍井

旗槍は、読んで字のごとく。旗と槍の形を表現した名称です。つまり、芽の部分を槍に見たて、葉の部分を旗と見たてて、茶葉を旗と槍が一緒に並んでいる姿を表現した呼び方です。蓮花とは異なり、一芯一葉で摘んだ茶のことを「旗槍龍井」と呼ぶのです。

また、葉の成長が一定程度進んだ段階で茶摘が行われますので、蓮芯よりも若干後、清明節直前ぐらいに作られることが多いといわれています。特に、1985年以降に龍井を作り始めた西部地区の龍[土烏]郷(りゅうう)は、この旗槍龍井を作る伝統的な茶区となりつつあります。

雀舌(チュエショー)

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雀舌

お茶にはこの雀舌(日本語読みはじゃくぜつ)という名前がつけられていることが多く、名称的にはポピュラーですが、茶葉のランクから行くと、非常に高級茶です。
そもそも雀の舌のように柔らかいという意味があり、また、別の説明では、雀の舌の形に似ているとか(雀の舌の形って、どんなのでしょう。

見たことある方いますか?)、雀が舌を出している姿や雀が両方の羽を開いている姿に似ているなどとも言われています。基本は一芯一葉から二葉で、清明節前後から穀雨までの間に摘まれる茶とされています。

龍冠(ロングアン)

龍冠は、雀舌と同様に清明節前から穀雨前までの間に一芯二葉で摘まれる龍井茶です。残念ながら、これは茶葉の形の形容ではないので、ここで取り上げるのはどうかなとも思ったのですが、蓮芯、旗槍、雀舌ときたら、この次のランクが龍冠なので、とりあえず掲げておきます。

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龍の冠とは、昔から帝などが被る王冠として知られており、特に、大唐帝国の創始「李淵」が戴いていたことでも知られています。つまり、それだけ高級なお茶ということですね。

鷹爪(インヂャオ)

さて、通常は龍冠までが極品、貢品とか呼ばれるランクのお茶で、そうそう入手できるものではないのですが、西湖特級龍井ぐらいになると、我々でも入手できるお茶になります。一芯二葉で摘まれる茶で、その形が鷹の爪に似ていることからこのような名前がつけられたそうです。鷹の爪というと日本では「唐辛子」のイメージがありますが、形的に似ているでしょうか?

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以上、いろんな形の龍井茶をご紹介しました。ランク付けとも関係ありますから、ぜひ、これらの区分覚えておいてくださいね!


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海南島の緑茶
この春、雲南省の緑茶に続いて届いたのが海南省のお茶でした。海南省は、中華人民共和国最南端のハイナン(海南)島にあり、その気候から、おいしいお茶も作られているのです。今回は一年の半分を海南島で生活する中国茶研究家で薬膳アドバイザーでもある青柳敬子さんが送ってくださった五指山のお茶2種をご紹介しましょう♪


五指山毛尖(ごしざんもうせん)

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アジアのハワイとも呼ばれる海南島は、熱帯季節風気候に恵まれ、年間平均気温が22度~26度で、降水量も1,500mm~2,000mm。一日の平均日照時間が約12時間もあり、年に平均300日以上が晴天という島です。こんな気候の島海南島では、お茶はかなり早くから新茶が摘まれるのだそうで、1月下旬から茶摘が始まるとのこと。特にこの島の茶は、10ヶ月に渡って摘まれるといわれているほど、芽の発育がよいのだそうです。

海南島は古くから紅茶の名産地として、最近では苦丁茶(生態茶)の産地としても知られていますが、いまでは、緑茶もいろいろと作られています。その中でも銘茶といわれるのがこの島の南部にある最高峰五指山(1,867m)の山麓で作られる緑茶。。この五指山茶区は、広東省だったころから紅茶をメインに作られてきた土地柄ですが、紅茶用の茶葉を緑茶つくりに利用して作られたのが、「五指山毛尖」。

もともとは、広東省に属していたこの海南島は、広東省の茶葉公司が「紅毛茶(こうもうちゃ)」という品種(アッサム種の大型の茶葉品種)の茶を植えることによって茶園を開発した地区でした。紅茶はアッサム種であるがために、CTC(Crush (潰す)、Tear(裂く)、 Curl(丸める)の略。コロコロっとした茶葉)に製茶されることが多いのですが、ここの緑茶は、その産毛の多さを特徴とするために毛尖茶として製茶されています。

味わいは、とてもおとなしく、日本茶を飲みなれている人にも違和感がない飲みやすいお茶で、水色もきれいな緑色をしています。

五指山水滴野生茶(ごしざんすいてきやせいちゃ)

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この五指山山麓で有名なもう一つのお茶は、「五指山水滴野生茶」です。これは、もともと五指山に生える野生の茶葉を製茶したものですから、アッサム種で作られる五指山毛尖とは、その味わいもまた異なるお茶です。

見た目は、安徽省の太平猴魁(たいへいこうかい)のようにプリミティブな形状で、若々しい草のような味わいがします。

長年雲霧の中で成長したお茶なので、野生茶のもつ強さを持っているのですが、味わいは、甘味も感じられるおいしいお茶に仕上がっています。五指山区のきれいな清流が流れるほとりに茶樹が生えたことから、「水滴」の呼び名がつけられたとのこと。

現在では、野生の茶葉を移植した茶園が、五指山のふもとの茶園に多く畝を作っているとのことです。


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