
はじめて餅茶を買ったのは、いまから9年前。香港の中華系デパートの地下食料品街にあった中国茶のお店。ここに何枚も積み重ねられていた「七子餅茶」の真中あたりからずぼっと引っこ抜いてきたのがこれ。
当時は、「プーアール=かび臭いお茶」というだれもが持つ固定観念のようなものをしっかりと僕も持っていて、これ飲んでおいしいのかなあ?と半信半疑で購入した。
まあ、形がよいから置物にもなるかなあと、当時は考えていた。値段からいっても、いわゆるやすものの餅茶だろう。当時の価格で300g程度の餅茶が2000円程度だった。
買ったばかりの時は、なんだか土のような匂いがした。そう、ガーデニングのお店などに売っている、しっかりと養分を含んだ黒い土の匂い。こんなお茶、飲んで美味しいのかなと、どうも飲む勇気がなかった。
それからずうっと、我が家の風通しの良いお茶倉に放置されつづけ、時々撮影に引っ張り出されるだけで、いままで眠りつづけていたこの七子餅茶。
そろそろ10年経つので、すこしは陳化して、おとなしい味になったかもしれないなどと、最近お茶の山のなかから掘り出してきた。どんな風に変化しているか、楽しみだ。

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